■成年後見制度とは
成年後見制度とは、未成年後見制度に対して、精神上の障害により判断能力の衰えた成年者を保護するための制度のことです。民法が規定する成年後見制度は、本人の判断能力の減退の程度に応じて、①補助 ②保佐 ③後見 の3類型に区別することができます。
もっとも、民法はこのような包括的意味での「成年後見」という表現は使用しません。一般に、「成年後見」という語は「③後見」としての「成年後見人」として使用されます。
■後見の対象者
民法では、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状況にある者については、後見開始の審判を受けることができる」(民法7条)と規定されています。この審判を受けた者を「成年被後見人」といいます。
「精神上の障害」という限定は、弱年齢による事理弁識能力の不備の場合と区別するためにあります。「精神上の障害」とは、具体的に、認知症や知的障害、精神障害等を想定しています。また、「事理を弁識する能力」とは、法律行為について認識し、判断する能力のことを指します。
成年後見の対象となる事由には、次のような例が挙げられます。
・日常の買い物を自身では行うことができず、他人に代わってもらう必要のある人
・家族の名前や、自身の住場所等のごく日常的なことがらが理解できなくなっている人
・完全な植物状態にある人
なお、成年後見は、日常的に必要な買い物であっても自身で行うことができない程度の者を対象者としていますが、自己決定権の尊重およびノーマライゼーションの観点から、法律の介入を避け、日常に関する行為については、成年後見人であっても取消すことができません。
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